ちゃかちゃか宝物殿 射ゲ牙

3331 ART FAIR 2021に合わせて制作された「死蔵データ射的屋台」です。日本の縁日でしばしば出店される射的屋をモチーフとしています。

外装はタープと骨組みで作られた仮設のテントです。ほの暗いテント内では的となるオブジェにプロジェクションマッピングされた死蔵データが再生されています。参加者は100円玉硬貨を使い、それを実際に発射することができる銃、コインガンに装填して発射します。映像が投影された的に命中し、落下させることでダウンロード用のQRコードが印字されたレシートを受け取ることができるようになっています。

この屋台はアートフェア参加作品でありながら屋外に設置され、無料で参加できる点もユニークな部分です。遊戯に用いる銃は3種類あり、宍倉志信、鈴木雄大、大山日歩がそれぞれ手がけました。コンパクトで撃ちやすい銃、一度に大量にコインを発射できる銃、スコープに映像ギミックが付いたリッチな銃などそれぞれ特徴があり、参加者は好きな銃を選ぶことができました。銃から発射された100円玉は的の設置された棚の最下部にあるプールに蓄積していきます。これらは神社の賽銭のようでもあり、同時にそのままカタルシスの岸辺の売上でもあるのです。銃弾・貨幣・賽銭という要素が無理矢理に物理的な紐づけがされ、経済合理性の枠組みを超えた状況が現れるのです。

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