(公)²死蔵データセンター@後生協力組合
カタルシスの岸辺初のパブリックアート作品です。2ヶ月間の滞在制作期間を経て、台湾桃園市龍潭区の大北坑地域に設置されました。



本作は一見すると看板のようなオブジェクトですが、その実は「死蔵データセンター」です。現地滞在時に収集した200件以上の死蔵データがデバイス内に保管されており、看板右下部のLEDディスプレイでループ再生されています。
また来訪者はデバイス内のデータのダウンロードと、自身のデバイス内の死蔵データのアップロードが可能です。体験方法は日台どちらにも親しみのある文化である「漫画」によって示されています。新たにアップロードされたデータは定期メンテナンスの際に再びビューワー内に格納され、ビューワーにて再生されます。
加えて、本作の平面部にはメンバーが滞在時に撮影した画像を素材に使用したデジタルコラージュが施されています。これは農村地域である設置場所から着想を得た複合的な農村の姿であり、死蔵データと調和した新しい農村風景画を描き出しています。
このように、複合的な仕掛けが組み合わされたオブジェクトは、死蔵データを中心にした新しい公共圏を地域に開いてゆきます。
・USBストレージ
この作品が「データセンター」たる所以です。microUSB、USB-C、Lightningの3種のケーブルがそれぞれストレージに繋がっており、私たちが収集したデータを・ダウンロードすることができます。データのアップロードはLINEの公式アカウントを通して受け付けていますが、これは台湾の商慣習がLINEに依存したものである部分に着想を得ました。

・死蔵データビュアー
4mmピッチのLEDマトリクスパネルによるビューワーです。龍潭で収集した「農業という言葉を聞いてイメージする」死蔵データが再生されます。左下のLEDと地味に同期していて、数分に一度画面を横断するような演出があります。

・デジタルコラージュ転写平面
1枚の大きな画像を分割してレーザープリンターで反転A3出力し、手仕事で転写して大画面を実現しました。ニスを何層にも塗り重ね、時間をかけて研ぎ表面仕上げにこだわりました。


・作品説明&挨拶LEDパネル
本作の核心部分はUSBストレージなので、ストレージへの導線を華・英の二か国語で表示しアピールしています。また時候の挨拶などをランダムで表示することで「親しみやすさ」を演出しています。

・体験方法説明漫画
漫画家ナクヤムパンリエッタ氏とのコラボレーション。ストレージへのアクセス方法、死蔵データのアップロード方法などが網羅的に理解できます。

