沿革

学び舎を出た私は、いつか自分の店を持つことを漠然と考えていました。そこでは不用品や骨董品、諸国観光地の土産物、美術作品などが雑然と(しかし厳然たる秩序に基いて)並べられ、雑貨屋のようにも、土産物屋のようにも、ギャラリーのようにも、或いはインスタレーション作品のようにも見える空間が広がっている――私はその様な店舗を持つことを夢想していました。

実はその時に考えていた屋号が、『マテリアルショップ カタルシスの岸辺』だったのです。

その頃に、友人の海野林太郎に「一緒にフリマで映像素材を売ろう」と声をかけたのが今なお続く「カタ岸」の始まりです。実は「映像素材の対面量り売り」という企画は、「カタルシスの岸辺」という私が夢見ていた店舗の開店準備でもあったのです。

その実験(「映像屋台」)は結局はフリーマケットではなく、“GINZA 24H SQUAD”という銀座の廃ビルで行われた24時間限定のイベントで、他のアーティスト達との協働のなかで行われることになりました。それをきっかけに多くの方にお声掛けを頂いたご縁で、今は様々な場所に「出張」させて頂けてます。

発想の根幹にあったのが「店舗」≒「商売」なので、直截的に金銭価値を発生させる、という点を重視して以降のプロジェクトも取り組んでいくことになるかと思います。私の「自分の店を持つ」という夢は沢山の仲間と協働するなかでいつしか溶解し、今ではその時々にイニシアチブを持ったアーティスト達の夢想を叶える為のプラットフォームとして機能しています。その有様はあたかもアーティストコレクティブのようにも見えますが、私たちはあくまで「マテリアルショップ」という合言葉の元に、緩やかに連帯しているのです。

平成30年2月14日
店長 荒渡巌